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家には、何故か猫がたくさんいて、
それぞれを名前で呼ぶのが面倒なので、まとめて、
”猫の皆さん”
と、呼んでいる。
猫の皆さんの親分は、
”もふおばさん”
もふおばさんは、毛の長い黒猫。
もふもふした大きな黒い毛の塊に、
三角の耳と、少しきつい金色の目がついている。
そして、体よりもさらに
もふもふもふもふした尻尾がついている。
もふおばさんは、いつもマイペースをくずさない。
好きは好き。嫌いは嫌い。
やりたいことはするけど、
やりたくないことは、一切しない。
いつも、リビングの食卓の上の真ん中に
新聞を敷いて寝ている。
私が新聞をとろうとすると、
面倒くさそうに首だけをこちらに向けて睨む。
頭にくるので、両のほっぺを
ビーッと引っ張ってやる。
もふおばさんは、
首を振って私の手を払うと、
何事も無かったように、
悠然と立ち上がり、
そして寝床を、エアコンの上へ移すのだ。
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