聖なる鷹

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新井「もうひとつの伝説は林さんです。」 柳生「...何をしたんだ?」 新井「烏丸さんほどの伝説じゃありませんが、烏丸がいなくなった後、水戸は再び最弱のチームになってしまいました。しかし林さんが水戸を再びJ1昇格させたんです。」 アトム「そんな凄い人だったんだ...」 長谷川「でも林さんがいたのに何で今J2にいるんだなぁ?」 新井「怪我です...シュートを撃つとき相手の悪質なタックルを受け靭帯を断裂...全力でシュートが撃てない身体になったんです。」 虎之助「....」 新井「林さんは元はバリバリのストライカーでしたから...シュートが撃てないということは選手生命が絶たれたも同じです。」 柳生「....何故まだ選手をやっている?」 新井「林さんは諦めませんでした...パサーになったんです。鍛練を重ねた彼のパスはスピードこそありませんが確実精度があります。ホーリーパス(聖なるパス)なんて呼ばれてますね。」 虎之助「諦めんかったんか...」 新井「はい...でも、いかにパスが上手くても水戸にはストライカーがいませんでした。点を取らなきゃ勝てません。水戸は負け続けて...今に到っています。」 虎之助「移籍すればええのに。」 新井「実際移籍の話はありました。でも林さんは断ったんです。」 「俺は生まれも育ちも水戸だぁ。だから水戸さ離れる気はないだよ!」 柳生「愛団心か...」 虎之助「なんや...こいつもカッコエエやないか。」 新井「これが水戸の...聖なる鷹伝説です。」
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