とりあえず、飲みましょう

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   「井筒(いづつ)主任~! こっちです」 「おお、近藤。有難うな」 乗り込んだ電車に揺られ、目的地の駅を降りて、五分程歩いた。 すると、事前に連絡があった居酒屋を発見し、入ると直ぐに後輩の近藤の声が聞こえてきた。 お陰で、探す手間が省けて、直ぐに席につけることが出来る。 「いえいえ。それにしても主任、ちょっと遅かったっすね。誰かに捕まっちゃいました?」 「まぁ。仕事じゃないんだけど……青木さんの世間話に付き合ってたら、遅くなった」 青木さんとは、俺の会社で働いてる、おじいちゃん社員だ。 気さくでいい人なんだが、話し出すと長くて……今日は帰りに捕まってしまった。 「あちゃー、そうだったんすか。でも、大丈夫です。残りの二人もまだ来てないですから。というわけで、先に始めちゃいましょう! 主任、生でいいっすか?」 「ああ」 俺の返事を聞くと、近藤が直ぐに生中と、軽くつまめるものをオーダーしてくれた。 「いやー、さっきまで一人だったんで、寂しかったっす。主任来てくれて、助かりましたよ」 「へぇ~、それは意外だな」 渡された、おしぼりで手を拭きながら、俺は言った。
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