1人が本棚に入れています
本棚に追加
それから数日、私はこの間の大嘘で大変な目に遭っていた。
特に教室で。
「栞那ちゃんの彼氏ってどんな奴?」
休み時間になるたびに、私の机の横に来て、話かけてくる。
「・・・内緒」
彼氏なんていないんだから、そんなこと言えるはずがない。
なぜか美咲陸は私に付きまとう。
興味がないって言ってるし、態度にも出しているのに、意味が分からない。
困り果てた私は、急いで携帯に逃げる。
学校では電源を切るようになっているけど、きちんとその校則を守っているのなんてごくわずか。
休み時間にツイッターやインスタを更新する人なんてたくさんいる。
私はSNSには興味がないし、電池が減るのがもったいないからいつもは切っているけど、今日は運よく切るのを忘れていた。
そして、メッセージを打つ。
『今日の放課後、見に行ってもいいかな?』
相手は中野くん。
この間、サッカーの見学に来ないかと言われていたのをとっさに思い出して、ポチポチして送った。
でも、とうの中野くんはクラスメイトと話し込んでいて気付く気配がない。
しょうがない。
中野くんも、携帯にはあまり興味を示さないというのは薄々気づいていた。
放課後までに気づいてくれれば、それでいいかな。
そんなことをしていると、美咲陸は私のところからいなくなっていた。
最初のコメントを投稿しよう!