#1.大人と子ども

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そして、放課後。 私からのメッセージに気付いた中野くんはいい返事をくれた。 そして、直哉と梓を加えた3人で見学に行くことにした。 「うわあ、サッカーの練習なんて、こんな間近で見たの初めてかも」 梓が目をまん丸くして言った。 くりくりとしたつぶらな瞳に、オレンジの夕焼けが眩しかった。 選手たちのスパイクがグラウンドを蹴ると、砂煙が上がって、土のにおいがする。 「みんな、すごいな」 直哉が遠くを見ながら、感心したように言った。 放課後の過ごし方は、人それぞれ。 学校に遅くまで残って勉強する人、お店に立ち寄って他愛のない会話をする人・・・ そして、こんな風に、青春をかけてスポーツに打ち込んで、汗を流して、キラキラしてる人。 「・・・あ」 中野くんの姿を見つけた。 周りの選手より一回り大きく見える背中は、何度転んでも立ち上がっていた。 何度も、何度も。 ・・・中野くんは、サッカーが好きなんだな。 サッカーのルールはよく分からないけど、それだけは確かだと思った。 ***** 途中で梓は急なバイトのシフトが入って、直哉も梓を送ると言って、結局私だけになった。 練習が終わって、今は中野くんと一緒に帰っている。
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