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恋なんて知らなかった。
私の役目は、友だちの話を聞くこと。
好きな人と目が合ったとか、彼氏が構ってくれないとか。
好きな人ができたなんて、生まれてこの方私には縁がない。
高校二年。春。
そんな私の目の前に、現れた。
初めてだった。
初めて、男の人をカッコいいと思った。
私が言えば、説得力がないかもしれない。
笑われるかもしれない。
それでも、もう感じてしまった。
―――――私はこの人のことを、好きになる
君が私を見てくれていたら、私は最強になれる気がした。
君に会うと、ドキドキして、体が熱くなる。
泣きそうになる。直視できない。
君は私の心をつかんだ。
だから、私も君の手を握りたい。
けど、その時の私はまだ知らなかった。
恋をすることや、愛の深さや嫉妬の意味を。
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