#2.芽

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5月になって、少しづつ季節が変わろうとしている。 それとタイミングを同じくして、私たちにも変化が起きた。 「ねえ直哉」 「なに?」 「今日行きたいところがあるんだけど、付き合ってほしいなー」 「いいよ」 梓と直哉が付き合うことになった。 きっかけはやっぱり、あの駅のホームで出会って、その放課後に写真の話ができたことだったよう。 学校では2人ともクラスメイトで、恋人同士になれるのは放課後の帰り道だけ。 帰りが早い日は、デートをして帰る日もあるみたい。 一方、私にも、変化が起きていた。 「栞那」 「ん?なに?」 「この間読みたいって言ってたやつ、持ってきたよ」 「借りていいの?やったー、一度読んでみたかったんだよね~。ありがと」 私は、中野くんのことを男の子として意識している。 つまり、---------中野くんのことが好きになった。
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