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5月になって、少しづつ季節が変わろうとしている。
それとタイミングを同じくして、私たちにも変化が起きた。
「ねえ直哉」
「なに?」
「今日行きたいところがあるんだけど、付き合ってほしいなー」
「いいよ」
梓と直哉が付き合うことになった。
きっかけはやっぱり、あの駅のホームで出会って、その放課後に写真の話ができたことだったよう。
学校では2人ともクラスメイトで、恋人同士になれるのは放課後の帰り道だけ。
帰りが早い日は、デートをして帰る日もあるみたい。
一方、私にも、変化が起きていた。
「栞那」
「ん?なに?」
「この間読みたいって言ってたやつ、持ってきたよ」
「借りていいの?やったー、一度読んでみたかったんだよね~。ありがと」
私は、中野くんのことを男の子として意識している。
つまり、---------中野くんのことが好きになった。
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