#1.大人と子ども

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でも、年が離れてる分、今ではすっかり親目線になってしまっている。 だから、最近はお父さんとお母さんと言う事が一緒になってきてる。 「お兄さんと話す?」 「お兄ちゃんは一人暮らしだから滅多に家に帰って来ないんだけど、学校では話すよ」 「仲良いんだね」 「そうなの!」 中野くんって、纏ってる空気みたいなのが直哉と似てる。 すごく話しやすい。 でも、私がそう思っても説得力が欠けてしまう。 基本的に誰とでも話せるし、男女の友情はアリな方だと思うし。 ま、別にいっか。 どう思われようが、私の勝手だし。 「良い感じのところ悪いんだけどさ」 「ん?」 「ん?じゃなくて」 「え?」 「私たち自己紹介まだなんだけど」 ・・・しまった!つい、話し込んでしまった・・・ 私を止めてくれたのは、直哉と梓。 「栞奈?」 「はい」 「人に興味を持つのもいいけど、周りをちゃんと見てね」 「すいません・・・」 すっかり、両肩が狭くなってしまった。 私ってば、いつもこうだ。 「なんてな!それが栞奈の良いところなんだから!」 「そうだよね!」 このポジティブさは、誰から貰ったんだか。 自分でも驚いちゃうよ。 「神崎ー」 「なんですか」 「謙遜って言葉の意味は知ってる?」 「バカにしてる?」 「目が笑ってるっつの」 「あはは!!」 やっぱり私には、笑っている方が合ってる。 なんてことを思いながら、直哉と梓の自己紹介を聞いていた。 ***** 今日から新学期。 つまり、クラス替えが発表される日。 朝からワクワクしていたのは、きっとそのせい。
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