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でも、年が離れてる分、今ではすっかり親目線になってしまっている。
だから、最近はお父さんとお母さんと言う事が一緒になってきてる。
「お兄さんと話す?」
「お兄ちゃんは一人暮らしだから滅多に家に帰って来ないんだけど、学校では話すよ」
「仲良いんだね」
「そうなの!」
中野くんって、纏ってる空気みたいなのが直哉と似てる。
すごく話しやすい。
でも、私がそう思っても説得力が欠けてしまう。
基本的に誰とでも話せるし、男女の友情はアリな方だと思うし。
ま、別にいっか。
どう思われようが、私の勝手だし。
「良い感じのところ悪いんだけどさ」
「ん?」
「ん?じゃなくて」
「え?」
「私たち自己紹介まだなんだけど」
・・・しまった!つい、話し込んでしまった・・・
私を止めてくれたのは、直哉と梓。
「栞奈?」
「はい」
「人に興味を持つのもいいけど、周りをちゃんと見てね」
「すいません・・・」
すっかり、両肩が狭くなってしまった。
私ってば、いつもこうだ。
「なんてな!それが栞奈の良いところなんだから!」
「そうだよね!」
このポジティブさは、誰から貰ったんだか。
自分でも驚いちゃうよ。
「神崎ー」
「なんですか」
「謙遜って言葉の意味は知ってる?」
「バカにしてる?」
「目が笑ってるっつの」
「あはは!!」
やっぱり私には、笑っている方が合ってる。
なんてことを思いながら、直哉と梓の自己紹介を聞いていた。
*****
今日から新学期。
つまり、クラス替えが発表される日。
朝からワクワクしていたのは、きっとそのせい。
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