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――僕たちはずっと逃げ続けている。
「ルナ、大丈夫かい?」
「えぇ」
僕が生まれた頃には既に第二の人類はいた。
早くに両親を亡くした僕は祖父に育てられた。街を歩くたび彼らを見かけ、その度に祖父は第二の人類について教えてくれた。
彼らはいつも、高級な車に乗り高級な衣服で着飾っていた。姿形を変えても人間の装いは捨てきれずにいる。愚かな生き物……。
牧師だった祖父は流行を追い、富と権力で永遠の体を手に入れた第二の人類を嫌っていた。
……正直、貧乏人の僻みだと思っていた。
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