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「俺は柿田好哉(カキタ コウヤ)、22歳。まぁよろしくな」
彼の顔を見て、しばらく呼吸が止まった。
昨日の人? これって運命の再会!
でも……少し雰囲気が違うような……。
「なんだよ?」
「なんでもないです……」
それでも彼の顔を見てしまう。
「……あの、柿田さんって、ご兄弟いますか?」
「あ? ……いねーよ」
何か悪いことを訊いたのか、好哉さんは不機嫌そうな顔をする。
「もしかして、どっかで俺と会ったのか?」
「あの、昨日の夜にすごくよく似た人に会ったから」
「10時ごろか?」
「はい……ってあれ? もしかして、そうだったんですか?」
「さあな……それより俺は好哉って呼べ」
「え……そんな、初対面で下の名で呼ぶなんて……」
なんだから恋人っぽくて……。
「親父たちも柿田なんだからややこしいだろ? だから、それがここのルールだ、いいな?」
「は、はい……あの、好哉さん……」
「んなことで照れんなよ」
好哉さんはぶっきらぼうに言って指で額を押された。
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