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夜の10時、都心から離れたこの町では、乗客の少ない駅のホームからでると、外は雨が降り出していた。
明日からは新しいアルバイトが始まるから、わざわざ都心の有名店に予約までして綺麗にカットしてきたショートボブの髪が濡れちゃう。
「うわあ、雨うぜー」
制服姿の女子高生らしき二人組が、暗い空を見上げて毒づいている。
スーツ姿のサラリーマンも、みんな険しい顔で雨を見ていた。
予期せぬ雨にみんな迷惑顔だ。
でも私は雨が嫌いじゃない。
だって雨は……
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