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「なあに? 美音ちゃん、なにかいいことでもあったの?」
家に帰ると、濡れた髪を拭いている私にお母さんが話しかけてきた。
「ううん、べっつにー」
「なんや! 男か! 男なんか!」
そこにほろ酔いのお父さんが絡んでくる。
反抗期だった中学生のころは嫌いだったお父さんも、最近はかわいいと思えるようになった。
高校を卒業して、私も少し大人になったのかも。
「明日から新しいアルバイトでしょ? 風邪をひかないように先にお風呂に入りなさい」
「はーい」
お母さんはいつも私のことを見ていてくれて、心配してくれる。
そんなお母さんが大好きで、反抗期のころもお母さんとは仲が良かった。
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