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「て、訳よ」
「ほ、ほう。」
そこはノアの森だった。初めて出会って
から2人と交流できるようになるまでには
様々な苦労があったのだが、ノアの本体
以外、つまり船の部分が出来上がって来た
途端彼女たちはノアの元へ来るように
なった。雨露をしのげるいい場所だとでも
思ったらしい。何事も実用一辺倒の2人
なのだ。こうして何かあるとノアを尋ねて
きては、エリアの情報を話して行く。
今日はどうやら戦利品を一時隠しておくのに、
寄ったらしい。「釣り」の成果をノアに
話して聞かせてやる。
「で、その花粉が入った籠はどうしたのだい?」
「あんなもの、捨てたに決まってる
じゃない。役にも立たないんだから。」
本来ならばあれが一番物々交換で
多くの物を貰えるはずなのだが2人はどう
やらそれをよしとしなかったようだ。
ノアは、そんな2人を好ましくさえ思った。
しかし・・・。
「可哀そうに」
と、思わず呟いたノアの一言を2人は
聞き逃さなかった。
「でしょう?!そう思うわよね、ノア!」
「歩くだけで襲われちゃうんだから!
ねえ、キラ」
「そうよ、リラ」
「・・・・」
いや、男の方だよとは、とてもの事
言えないノアであった。
恐るべし、キラリラ。
つ・づ・く
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