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ある程度進んだところで、彼女たちは2手
に分かれた。キラだけがそっと後ろから身
を隠すようにしてリラを先に歩かせる。
すると、しばらく行くうちに大きな籠を
抱えた男が近づいてきた。何かの獣の毛皮
をなめした肩当てや、厚い胴着を着こんで
いる。両腕にも皮の防具を付けていた。
そうとう羽振りが良さそうだ。リラが、
にっこり笑った。すると、男は途端に
やにさがる。リラがまるで誘うように藪の
方へ歩くと案の定ついて来た。藪の前で、
リラが手招きをする。男は我慢の限界と
ばかり、籠をそこへほっぽり出すとリラの
腕を掴んで藪の中へ入っていく。そこへ
後ろかろから忍び寄ったキラ。藪の中では、
すでにリラが組み伏せられている。男の
背中から、どこからか拾ってきた木の枝を
大きく振りかぶる。
「ぷぎゃっ!!」
変な声を上げて、男は失神した。
すかさずリラが起き上がるとキラと共に
男を身ぐるみ剥ぎ始めた。ほとんど裸同然
まで剥ぎ取ると、籠も一緒に担ぐ。2人は、
男が目覚めたころにはすでにどこにも
いなかった。
「ちくしょー!!泥棒!返せ!っくしょん!!」
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