第1章

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ほどなくして、姉の墓が荒らされ遺体が奪われ、わたしは姉が冥府で蘇ったことを誰よりも早く知った。 双子の繋がりだろうか、想いの強さだったのかは知らない。 わたしは、武芸と魔術に打ち込んだ。 十六歳の時、姉が冥府から出たのを見て、わたしは悟った。 青い馬に乗って疫病をまく姉は、八歳の時の姿のままだった。 約束が胸を刺す。 だから、わたしは姉が姉でいるうちに、まだわたしの愛称を呼ぶうちに、わたしの手で殺めた。 シーと互いに呼び合い、誰よりも自分に近かった姉。 シュリナとシュリア。 姉を殺した事は後悔していない。 むしろ、約束を果たせたことに、感謝すらする。 あのまま姉を放置すれば、姉の意識は無へと変換させられただろう。 そうなる前に姉が姉でいられた瞬間に、姉を葬ることが出来たのは、感無量だった。 しかし、新たなる問題が発生した。 わたしの足の裏に花の印が浮かんだのだ。 姉を弑した罰か? それとも最初から双子は国を滅ぼすのかと……。 だから、わたしは神に祈る。 姉の御霊を今一度、現世へと蘇らせて欲しい。 姉になら、殺されても良い。 生まれ変わりを信じる強い信仰心が、わたしにはあった。 「ずっと待ってるから」 姉が再びこの世に生を受けるまで、わたしは死なない。 死ねない。 (あなたに殺してもらうまでは、シー)
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