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会場から拍手が聞こえる。
ロックミュージックが響く。
いつの日か、この音楽をかき消すほどの拍手を得てやる。そう、毎回心に決める。
ショーの壁の裏で、僕は何度目かのこの瞬間を、それでもとりあえず安堵して迎えた。ランウェイから最後のモデルが戻ってきて、僕は一歩だけ表へ出て、この時だけスポットライトを浴び、深くお辞儀をした。
僕と、僕のブランドのトレードマークの、ボタンが一個ないジャケットをラフにはおって。
今僕はデザイナーとして頑張っている。
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