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あの時さちに、おしゃれだと言われたことを真に受けた訳ではないが、自分に思わぬ可能性があるのかも…ということを意識させてくれた出来事であったのは確かだ。
さちのことをずっと思い続けてきたわけではない。今彼女がどこに住んでいて、何をしているのか僕は知らない。
だが、この服飾の道を志してから、最後に会ったときの少し淋しそうなさちをよく思い出す。そして、彼女の目に映っていたであろう、第2ボタンのない学ランを着た自分の姿も、ありありと目の前に浮かんでくるのだ。
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