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で、庭に踏み込めば満月くんの姿があった。
「あれー?王ー、何しに来たの?仕事置いといたよねー?」
笑顔だけど目が笑ってないんだが!?
普段からキチンとこなしてるはずなんだがなぁ。
「サボり…じゃなく、一時休憩がてら結い紐の行方を追ってたんだ」
肩をすくめ、正直に答える。
嘘は言ってない。
「結い紐?」
「ほら、頭様がいつも結ばれてらっしゃる銀色の結い紐ですよ。満月さん」
「あぁ、あれか~。で、どこやったの?」
真珠さんとオレの目線は今だじゃれて遊ぶ猫達に。
で、追うように満月くんの視線も彼らの方へ。
「え?あれ?マジで!?」
場の空気……いや、正確にはオレと真珠さんと満月くんの間の雰囲気なんだが、なんとも言えない感じに。
猫達はゴロニャンよろしく和む空気のままなんで頷きつつ和んだのは言うまでもない。
「ゴメンッ、王!洗って返す」
「あ、いや….…アレ、あの子達が気に入ったみたいだし取り上げなくていいわ」
せっかく、喜んでじゃれてるのを取り上げたら可哀想すぎる。
だから、
「午前で仕事終わらせるから、真珠さんも満月くんも午後は街に行かないか?最近、城に籠りっきりだからたまには外に出たい」
と我が儘装って誘ってみた。
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