11人が本棚に入れています
本棚に追加
男は再びタケルへ向かう。
思わずアイはタケルの前に立ちはだかる。
必死でタケルを守ろうとする。
男の手に再びしっかりと短剣が握られている。
男の短剣がアイに届くギリギリで男の足が氷で固まる。
ユキナが氷の魔法を発動したのだ。
背中の痛みに顔を歪ませつつも、地面に手をつきアイやタケルに害がないように男の足だけを凍らせた。
一瞬の隙にアイは男に裏拳を食らわせ、正拳突きを叩き込み更に蹴りを腹に命中させた。
氷が少し緩かった為か、最後の蹴りで体が少し飛ばされた。
しかし、男は素早く地面に崩れ落ちることなく着地した。
男は打たれ強くもあるようだ。
「何故タケルを狙う?」
ユキナは男に聞く。
「貴様らこそ何故タケル様を庇う?おとなしくしていれば用はない。すぐに消えよう。」
「タケル様?
何にしてもタケルは望んでいない。」
男は冷ややかにユキナを見返す。
「しかも、タケルの家族をあんなにしたのはお前か!?」
ユキナは痛みと怒りに珍しく感情を見せる。
最初のコメントを投稿しよう!