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大男は顔に笑みを浮かべて炎を放つ。
巧みに炎を操りつつも倒れた仲間に気にしているのが分かる。
男は既に起き上がり、女を抱き起こしていた。
大男は更に炎を大きくし、ユキナに放つ。
大きく後ろへ下がり炎を回避する。
「さっきの勢いはどうした!」
大男は顔に笑みを深く刻み言葉を浴びせる。
ユキナは無言で炎を避ける。
しかし、視線は大男の方を見てはいなかった。
リングの端に追い詰めるように炎を放つ。
男と女も再び攻撃を仕掛ける。
ユキナはそれを全て避ける。
その時、男と目が合ってしまった。
すぐに視線を外し、背を向けるようにリングの端へ行き、3人に向き直った。
再び大男が炎を大きくした時、ユキナはリングに右手をついた。
その瞬間、地面を突き破り氷の刃が3人を襲う。
体こそ突き刺さないが、鋭い刃は体スレスレで止まっている。
いきなりの出来事に大男も炎を放つタイミングを逃したようだ。
そして、あっという間にリング全体が氷に覆われる。
3人は呆気なく凍ってしまった。
大男の顔と右手だけは除いて。
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