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「なっ、これは!?」
大男はあっという間の出来事に焦っている。
男と女に関しては頭まで完全に凍っている。
ユキナはゆっくりと大男に少し近付き、
「負けを認めて賞金を寄越せ。」
無表情で言い放つ。
「早くしないと仲間の体が手遅れになるぞ。」
大男は一瞬 迷ったが仲間の方を選んだ。
「分かった。負けを認める。」
周囲からはいくつかブーイングが起こる。
闘技場とはそういう場所だ。
大男の宣言を受けたユキナは司会者から賞金を受け止る。
「負けを認めたんだ。この氷を解除してくれ。」
大男は焦ったように言う。
だがユキナは無表情のまま、
「断る。お前の炎で何とかしろ。その為に右手も凍らさずにしておいたんだ。」
大男は炎で氷を溶かしつつ、
「何故だ!?賞金だって手にしたろ!」
ユキナはゆっくりと大男の方を見た。
冷たい瞳で。
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