閉ざした心

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言われたように耳を塞いだが、男達の悲鳴が聞こえてきたのは言うまでもない。 悲鳴が止んで、ユキナは涼しい顔で出てきた。 「アイ。車を取ってくるから待っていてくれ。」 「はい。」 闘技場の外はとても静かだった。先程の喧騒が嘘のようだ。 街灯の下でアイは佇むようにユキナを待つ。 すると、 「あれー。女の子が1人でこんな所で何してるの?」 どうやら面倒な連中らしい。 3人の男だ。 「1人ではありません。」  アイはきっぱりと言い返す。 「いや。1人じゃん。」 男はニヤつきながらアイに近付く。 「今 連れが車を取りに行っていて、待ってるんです。」 「連れって男ー?」 「いえ。女性です。」 「なら、その連れの女の子も一緒に飲みに行かない?」 そう言ってアイの手首を掴む。 「離してください。」 アイは抵抗したが、力が違う。 「良いじゃん。行こうよ。」 男は嫌な笑顔で掴む力を弱めない。 その時、ユキナが車を走らせて止めた。 1度 車を降りて、 「アイ。何を遊んでいる。早く乗れ。」 男達の存在は完全無視だ。 「ちょっと。俺ら無視かよ。」 男達は面白くなさそうだ。 「興味ない。」 ユキナは短く言い放つ。 「そりゃ、ないんじゃない?」 「一緒に飲みに行こうよ。」 再びユキナはため息をついた。 「アイ。3分で終わらせてくれ。」 そう言って車の運転席に乗り込む。 男達が一瞬ポカンとしたのをアイは見逃さなかった。
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