閉ざした心

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アイは右手で眼鏡を外し助手席の方に放り投げた。 窓はユキナがあらかじめ開けておいた。 アイは掴んでいた男の手を素早くひねりあげる。 男の情けない声が苦痛の表情と共に漏れる。 腕を解放したのと同時に回し蹴りを喰らわせる。 男は地面に倒れた。 2人の男達は怯んだが、また1人がアイに向かった。 アイは小さく微笑みを浮かべ、男の突進を避け男のみぞおちに膝蹴りを入れる。 男は腹を抱え膝をつき悶える。 相当 効いたようだ。 最後の男は手にナイフを持っていた。 頭に血が上ったようだ。 ナイフでアイを切りつけようとしたが、あっさりとかわされナイフを奪われる。 「あっ!」 アイは驚いてる男を簡単に背負い投げをした。 男の体は宙を舞い地面に倒れた。 咄嗟で受け身をとれなかったらしい。 「やり過ぎちゃいましたか。」 殆ど独り言に近い言葉だったが、 「いや、完璧だ。3分かかってない。」 冷静に答を返した。 ユキナは助手席に乗り込むアイに眼鏡を渡した。 「アイの体術は完璧だった。」 そう言ってアクセルを踏み込んだ。 アイは眼鏡をかけ、いつもの優しい雰囲気を纏わせながらもユキナに褒められて嬉しそうだ。 その証拠に照れ笑いを浮かべている。
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