恋とは驚くものである。

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その後の状況は何というかもう。 ざっくりと思い返してみても酷い。酷すぎる。 「で。さっきの続きだけどさぁ、翔太。あんた彼女作る気はーー」 「わ!ーーたし、お腹空いて来た!追加注文していい?」 テーブルの上に四品も料理が置いてある状況で言うべき台詞じゃない。 分かってる。分かってるのよ、自分がどれだけ話を逸らすのが下手かってことはね! 「そうだそうだ、さっき途中で終わってたっけ。翔太、あんたーー」 「咲子サン!かなり酔って来てるんじゃない!?もうお開きにした方がいいと思うな、うん、そうしよう!」 いやいやいや、私のボキャブラリーが貧困過ぎてもう泣きたい。 だってベロベロに酔っ払って眠る状態こそが咲子の"かなり酔ってる"だ。 きょとんとした顔で目をパチクリしている彼女はまだまだここからって感じだよね?うん、分かってる。 全部分かってるの。今日の私は誰がどう見てもおかしい。 だって、もう、なんで??なんで今日に限って咲子はこの手の話ばかりしちゃうの!?
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