第4章

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私も彼も、まずは好きなもの……つまり、上に載っているチェリーから手をつけた。 「んん、甘いですね」 「おいしいね」 「うん、おいしい」 「さすが、さくらんぼの本場だ。ここまで来てよかった」 ぷ、と先輩は種をお皿に吹いた。 そのまま、言葉を続ける。 「昔、弟たちとさくらんぼの種飛ばしやったっけ。一番目の弟は飛ばす時に一緒に大量の唾まで飛ばしてたな」 私は紙ナプキンで口を覆い、そっと種を落とした。
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