第4章

13/15
前へ
/103ページ
次へ
その後、私たちはあてのない散歩をし、軽食を済ませて、またあてどなく歩いた。 その間、ずっと手は繋ぎっぱなしだった。 昔からそうしていたように、私の手は先輩の大きな手にすっぽりと包まれ、大きな安心感を得ていた。 私たちは終始無言で、それが心地よく感じられた。 日は長くなったというものの、やはり5月の夕方はどこか寒気がする。 ここから、私たちの街へと向かう終列車の時間が気になってくる頃、自然と私たちの脚もJRの駅に向かっていた。 駅が見える大通りに出ると、勇気先輩は立ち止まる。
/103ページ

最初のコメントを投稿しよう!

26人が本棚に入れています
本棚に追加