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その繁華街の一角に、央の家があった。央はベーシックインカムの恩恵を受ける一方で、独学でガソリンエンジンの整備技術を身に着けエンジニアをしている。現在ではほぼ衰退したガソリンエンジンの技術を欲したILHENの技術指導を任される代わりに、環境維持の名目で禁止されているガソリン自動車の使用を許可され、必要経費もILHEN持ちという好待遇を受けていた。なるほど、ILHENの目を逃れるためにあえてILHENの足元に転がり込む、まさに灯台下暗しというべきだろうか。ここまで聞いた亜音は心配そうな表情をしていたが、央に危害を加えれば技術の保守が難しくなるためILHENも簡単には動けないと霊弐に説得され、央宅へと避難することとなった。
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