#03 不安

2/2
前へ
/10ページ
次へ
霊弐が実質的なカウンセラーであるのに、探偵を名乗っているのにはわけがあった。彼は他人の話を聞くのが好きでカウンセリングをしていたが、それは趣味の域を出ていなかった。彼にはパトロンとでも言うべき存在がいた。毎日のように他人の相談に乗っているとごく稀に、彼一人では手に負えない事態が転がり込んでくる。手に負えないと言っても、大事になるようなことであればILHENが動くはずで、彼が本格的に動く必要のある事態というのは具体的には、お金が必要なとき、ではあるが。そのパトロンとは長い付き合いで、カウンセラーである霊弐のカウンセラーでもあった。困ったときはまず相談する、そんな間柄なのだった。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加