第一章「カウンセラー」

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あたしの名前は、 「天如 浄己(てんじょう きよみ)」 高校卒業と時を同じくして上京し、メンタルカウンセラーを目指す医大生だ。 独り暮らしで学業に取り組むこと3ヶ月。 あたしは早々に思い悩んでいた。 カウンセラーという職への将来の不安と、 その憂慮を話し合えるほど、親しい人付き合いをできていない現状についてだ。 大見得きって家を出た手前、親を不安にさせるのははばかれる。 かといって、この早期に目標を見失うような相談を他人にするのもいただけない。 そんな悶々とした日々を過ごしていたのだが、不意に立ち寄った喫茶店で未来を左右する選択をすることになろうとは… さすがに思いもよらなかった。
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