第一章「カウンセラー」

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雑多な人集りを鬱陶しく思い、いつもは足を運ばない閑静な路地を歩いていたのだ。 喧騒をすこし離れたところに、質素ながら雰囲気の良いカフェを見つけることができた。 自己主張の少ない茶色の看板を尻目に、 兎角、ゆるやかな時間を過ごして今のモヤモヤを忘れようと、 あたしはその喫茶店(帰り際に確認すると、 「ナース・カフェ」という名だった)のドアをくぐったのだ。
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