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『お選びになってくださいませ。
それこそが、貴女の求める真理でございます』
なにを言っているのだろう。
そもそも、突如現れたこのヒトはなんなのだろうか。
そんな頭にあるべき疑問は、文字に惹かて動いた唇に先を越されてしまった。
「慈悲の降る… 定理を」
『かしこまりました。
貴女には、そのココロを授けましょう』
即答されたが、彼女の言葉は理解できなかった。
《ココロ》とは何かしらの物の例えなのだろうか、それとも《心》の概念を説くのだろうか。
いずれにせよ、願ったものではなさそうだ。
そんな落胆を顔に浮かべながら、一礼するナースさんを観やる…
不意にその姿がゆがんだ。
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