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暫くしたら金子君が迎えに来た。
そして俺達の格好を見て「やっぱり双子だね」と笑う。
金子君に案内されてやって来た学食。
扉がデカイ、天井にはシャンデリア。通路には赤絨毯だと!?
「ココどこ」
「学食だけど」
普通の返しをありがとう、金子君。
金子君は空いた席に座り手招きをする。
「このタッチパネルで選ぶんだよ。決まったらタッチしてカードキーを通すの。で後は来るのを待つだけね」
やはり定番のタッチパネル。
俺もタッチパネルを見る…あ、しょうが焼き旨そう。
「陸決まった?」
「俺はしょうが焼き」
「岳は?」
陸なんでしょうが焼きなの!!被っちゃってんじゃん。一緒だとつまんないし。
「俺唐揚げ」
「じゃあ実践やってみよー」
暫くしてテーブルに頼んだ物が届く。陸と俺がお礼を言ったらビックリしてた。
「いただきまーす」
「うま!!今日のカツ丼もうま!!」
ガツガツ食べている金子君。カツ丼好きなのね。その隣にはプリンも置いてある。
しょうが焼きも良かったけどココの唐揚げメチャうまなんですけど。揚げたてサイコー!!
「岳、口開けろ」
「へ?」
何時もの癖で口を開けると口にしょうが焼きが放り込まれる。うま!!しょうが焼き、うま!!
「食いたかったんだろ、お前。お前の唐揚げも寄越せ」
俺がしょうが焼き食べたかったの分かってたの?
いつも冷たいのに優しいんだよな、陸。
「ありがとう、陸。はい、あーん」
俺も陸の口に唐揚げを入れる。
どうだ、唐揚げうまいだろー。
ん、金子君が固まってこちらを見ている。
何だか他からの視線痛いぞ。
「お前らいつもそれやってんの」
「それって?」
「あーんだよ、あーん」
「いつもだよ。普通でしょ?ねぇ」
陸も頷く。俺達これで15年間過ごして来ましたけれども。
「お前らにとっては普通だろうけど周りからしたらビックリだから。どんだけ仲良し兄弟だよ」
「ビックリなんだって…普通なのにね」
頷く陸。
やっぱ金持ち学校じゃ庶民の普通は普通じゃないのかな。
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