自己紹介です

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席を立つ、俺と陸。 視線を合わせる。他から見たら何あいつら見つめあってんだと思われているに違いない。しかし本当は… 「岳、お前先に言えよ」 「ムリムリ、陸先に言ってよ」 「やだよ、先に言え」 「お願いだよ、お兄様」 と会話されている。 陸が小さくため息をつく。ありがとうお兄様。 「佐山陸。兄」 え、それだけ?それだけ言って座る陸。 他の生徒から「何それ」「短くね」とか小さく聞こえる。 誤解しないで!!陸も俺と一緒で人見知りなんだよ。恥ずかしがり屋さんなんだよ。 「佐山岳です。弟です。陸は人見知りなだけなんで俺共々よろしくお願いします」 言ってやった、言えたよ。 後ろから椅子を蹴る音が聞こえるけどもう何にも聞こえない。 俺の後の奴等の自己紹介も全く聞いてません。 「よし、これで全員だな。これからよろしく頼むぞ」 「「よろしくねーハゲ山センセー」」 チビッ子達よ、先生が可哀想だぞ。 「じゃあ解散!!寮に戻れよー」 そう言って先生は教室を出ていった。 「岳、帰るぞ」 「待って」 俺達も寮に行かないと…場所知らないけど。 「案内しようか」 俺達の後ろから声をかけてくる眼鏡男子。確か、確か、確か、 「亀山君!!」 「金子だ!!かしか合ってねぇし」 「ごめんね、金子君」 「別に良いけど…で案内しようか」 俺はお願いしたいけど陸は…陸をチラリと見る。 「金子、頼む」 陸も分からなかったみたいだ。顔には出してないけど助かったって顔してる。 「分かった」 俺達は金子君の案内で寮へ向かう為に教室を出た。 「双子が一緒のクラスとかマジウケるね~」 「あっちは平凡。晴様と貴様とは比べる価値もありません」 「あの双子、特に兄の方愛想ないじゃないですか」 周りにいるチビ共が煩い。 「え~俺は兄可愛いと思うんだけどなぁ」 晴は兄が気に入った様だ。俺は弟の方が気になる。 まぁ兄は兄、弟は弟同士でちょうど良いな。 明日話しかけてみよう。
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