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「ごめんね?今日、実は一緒に帰れないの。ほら、彼氏の部活待ちでさ?」
ちょっと自慢げに私の友人、白石みおんが放課後になって自慢のツインテールを揺らして私に言ってきた。
「え、またあ?彼氏って何部なの?」
私は白々しく残念そうにしながらみおんに聞いた。
「サッカー部!あ、そういえばますみんも今日は一緒に帰れないってさ」
桐谷真澄。もう一人の弁当メンバーだ。
揃いもそろって彼氏なんて正直、羨ましい…。
「ますみんの彼氏は誰なの?」
「あれ、聞いてないんだっけ?ほら、ちょい不良の宮口」
「え」
思わず目を見張る。
宮口と言えば隣のクラスにいる柄の悪い男だ。
暴力沙汰でしょっちゅう生徒指導室に呼び出されている。
そしてますみんは少し男まさりな子だ。
目の前にいるツインテールとはちょっと違う。この子は常に彼氏を求めているような子だから。嫌いじゃないけど。
「なんか、ますみんと宮口ってタイプ違うよね…?」
「それはみおんも思った。でもいつの間にか付き合ってたみたいね。…でも宮口って部活とか入ってないよね?ただ単に一緒に遊んでるのかな」
どうでもいいけど、と付け加えてみおんはあっけらかんと笑う。
本当にどうでも良いようだ、私は気になるのに。
「まあ、そういう事だからまた明日ね?あ、明日は一緒に帰ろうね!」
語尾にハートマークをつけたような言い方で言うと、鞄を持って教室から出て行ってしまった。
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