好奇心で

6/20
前へ
/28ページ
次へ
「ごめんね?今日、実は一緒に帰れないの。ほら、彼氏の部活待ちでさ?」 ちょっと自慢げに私の友人、白石みおんが放課後になって自慢のツインテールを揺らして私に言ってきた。 「え、またあ?彼氏って何部なの?」 私は白々しく残念そうにしながらみおんに聞いた。 「サッカー部!あ、そういえばますみんも今日は一緒に帰れないってさ」 桐谷真澄。もう一人の弁当メンバーだ。 揃いもそろって彼氏なんて正直、羨ましい…。 「ますみんの彼氏は誰なの?」 「あれ、聞いてないんだっけ?ほら、ちょい不良の宮口」 「え」 思わず目を見張る。 宮口と言えば隣のクラスにいる柄の悪い男だ。 暴力沙汰でしょっちゅう生徒指導室に呼び出されている。 そしてますみんは少し男まさりな子だ。 目の前にいるツインテールとはちょっと違う。この子は常に彼氏を求めているような子だから。嫌いじゃないけど。 「なんか、ますみんと宮口ってタイプ違うよね…?」 「それはみおんも思った。でもいつの間にか付き合ってたみたいね。…でも宮口って部活とか入ってないよね?ただ単に一緒に遊んでるのかな」 どうでもいいけど、と付け加えてみおんはあっけらかんと笑う。 本当にどうでも良いようだ、私は気になるのに。 「まあ、そういう事だからまた明日ね?あ、明日は一緒に帰ろうね!」 語尾にハートマークをつけたような言い方で言うと、鞄を持って教室から出て行ってしまった。
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加