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そそくさとトイレに行き、個室の中でそっと小瓶を開ける。
開けた瞬間にむせ返るような甘ったるい匂いが鼻に付いた。
眉をしかめながらも、ぐっと小瓶の中身を喉に流し込む。
どろりとしたそれが喉を伝い、胃に落ちていくのが分かる。この感覚はどうにも気持ちが悪いが、喉元過ぎれば何とやらだ。
意味とかじゃない、言葉通りだ。
どうやら身に付けているものも都合よく透明になるらしく、衣服だけが見えるという事はない。
小瓶もスカートにあるポケットにいれ、空いた手のひらを目の前で振ると、見えていた手のひらがだんだんと消えていく。
やっぱりこれは本物なんだ。
そう心で呟き、私はどきどきする心音を感じながらそっとトイレから出た。
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