第30話

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というわけで、私はおにぎり屋さんにいた。子どもの頃からやってるすっごい老舗という話だ きょ、今日はお願いします あいよ~、幸子ちゃんの頼みならいつでもこいだー! そ、それはどうも…… でも、急にどうしたんだ~い? おにぎりのちゃんとした握り方を教えて欲しいだなんてぇ? いや、その……ちょっと自分の人生、見直してみようかと思いまして…… おにぎり握るのと人生見直すの、なんか関係あるの~? いえ、こっちの話です…… ふーん? というわけで、おにぎり修行開始 ほら、そこはビシッと決めて! は、はいっ 三角だよ、三角、愛を込めて!! ハイッ!! 修行に入ったらしっかり厳しく、頼りになる兄貴肌なあんちゃんだった おし、良く頑張ったね~! はい、幸子頑張りました! じゃあ自分で握った鮭おにぎり、食べてみて~ はい、ありがとしやす! 我ながらわけわからん言葉を話しながらパクつく ふんまぁ~…… ね、美味しいでしょ~? はひっ! ふんわりというかホクホクというかなんというか味が染みてるというか……! ひとしおでしょ、手間を掛けると~? ! そ、そうですね! 掴んだ! 今ランチタイム幸子、ランチと人生の真理を見ましたよホントか?
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