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「はっ……はっはは」
声を出して。
それは久しぶりの経験だった。
それを見て、筑波も笑う。
なんだこいつ、悪びれるとかないのか?
ていうか、オブジェになにしてるんだ?
それはホントとんでもない無駄な労力じゃないのか?
意味がない。
ていうか、ぼくに謝れ。
「ははははは……」
「ハハハ……で、なんでお前は俺に近づいてくんの?」
「ん? 殴るため」
ぱかん、と頭をはたいた。
それに「おうっ」となんだか嬉しそうな声をあげて、筑波は倒れる。
ひとを殴ったのなんて、初めての体験だった。
なんか、気持ち良かった。
すると筑波は跳ね起きて――なぜか笑顔で、
「よっしゃ、お前からパンチもらったぜ!」
「……は?」
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