第11章 セカンドヴァージン

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「新崎、ごめん」 菜摘の唇に吸いつき、のしかかって身体を強く押しつけて喘ぎ、ついに意を決して彼女の服に手をかけた瞬間、彼女が少し済まなそうに声をかけた。 「なっ何?」 やっぱり駄目?…お預け? 「…わたし、自分で脱いでいいかな」 …わぁ。 「いいよ。勿論」 「ごめんね」 俺の重い身体の下から自分を引き抜き、ベッドの脇に立つ。俺に背中を向けて何でもないことのように淡々とボタンを外し、さらっとシャツを脱ぎ捨てた。うなじに俺の贈った例の銀の鎖が光る。ブラジャーだけの背中が目に飛び込んできて、俺は内心呻いた。 菜摘の手が背中に回り、ホックを外してためらいもなく取り去る。魅入られたように目が離せない。 スカートを下ろし、あと一枚で最後。それを取ったら…。 「…新崎」 彼女が服を脱ぐ様子に真剣に見入っていた変態な俺に、突然声がかけられ跳ね上がりそうになる。 「なっ…、何ですか」 「新崎は脱がないの?」 …あ。 俺は愕然とした。菜摘の身体にばっかり気を取られて、自分はフル装備のままだ。 首だけ振り向いて俺の様子を見て取ると、彼女は軽くむくれてかがんで脱ぎ捨てたシャツを拾い、身体の前面に当てた。 「全くもう、女の子が殆ど裸なのに…。待ってる間恥ずかしいじゃん。一緒に脱いでよ。手伝ってあげるから」 ひぇ。 「いえいいですいいです」 「遠慮すんなって」 胸もとに片手でシャツを当てただけの姿でベッドに掛けた俺に近寄り、唇にさっとキスしたあとデニムジーンズのボタンに手をかけた。…わぁ、ちょっと。多分無理。これだけでもう出そう…。 「待って待って。俺、自分で外すから」 「そう?」 ボタンから手を離し、Tシャツの中に手を差し入れた。再び唇を重ねてきて、Tシャツの袖を腕から抜こうとしつつ俺の肌を探る。俺はジーンズのボタンを一つずつ外しながら呻いた。無理だって、こんなの、童貞に。保つわけないよ。 「菜摘、あんまり刺激しないで。…終わっちゃうよ、すぐに。恥ずかしい話だけど」 菜摘はシャツ一枚通した裸の胸を俺に押しつけた。 「じゃあ、早くして。ずっと待ってるのに」 「速攻行きます」 俺はきっぱり断言し、立ち上がると恥ずかしさも何もなく一気に服を脱ぎ捨てた。ベッドの縁に掛けて待つ菜摘に向き直り、再度唇を重ねて無茶苦茶深くキスしながらシャツを取り去り、ベッドに押し倒して呼吸を荒げながら彼女の胸を両手で覆う。
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