1章

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授業終わりのチャイムと同時にクラスの数人が立ち上がって言った。 「放課後、皆でカラオケ行かね?」 「行きたい人はこの紙に名前書いてー。今日の放課後までに」 いつもの俺ならこの時、左隣に座る彼女に「市橋さんは行く?」と聞いていたが、関わりたくないと言われ少し積極性を失っていた。 するとクラスの女子達が彼女の周りに集まりだした。 「花梨もカラオケ行くよね?」 「ごめん、今日バイトあるから行けない」 「えー、花梨来れないの?」 心から残念そうにしている女子達を見ると、彼女がどれだけ好かれているかがよく分かる。 「結城は行くか?」 「行く」 「鳴海は?」 「行かねー」 俺は渡された紙に名前を書いた。
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