1章

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「市橋さ、お前のこと嫌いじゃないって」 「でも、関わりたくないって言ってた」 カラオケからの帰り道。 家が近い俺と鳴海は二人で帰ることになった。 「嫌いじゃないならまだ可能性は消えてないだろ」 「鳴海・・・」 珍しく優しい鳴海に少しだけ感謝する。 「凹んでるお前って面倒くさいし」 少しでも鳴海に良心があると思った自分が馬鹿だった。 「まぁ俺諦めるつもりはないし」 「まじで?じゃあ俺の助言とかいらないじゃん」 「・・・」 「結城?」 ふと足を止めたことに疑問を持ったのか鳴海が俺の名前を呼んだ。
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