1章

6/14

18人が本棚に入れています
本棚に追加
/142ページ
次の日、登校してきた彼女に声をかけた。 「今日俺達日直だから」 彼女は少し焦った様子で前の黒板を見た。 ″結城 市橋″ その文字を見て彼女はため息をつく。 「日誌、頼める?」 日誌を渡すと、彼女はそれを持ったまま教室から出て行ってしまった。 今日も一言も返事をしない。それが日常。 それから彼女が戻ってきたのは4限目の途中で、その手には日誌がしっかり握られていた。 「結城、お前今日弁当?」 「うん」 弁当片手に鳴海が後ろの席に座った。 俺は鞄に手を入れ弁当を取ろうとした。が、何故が鞄の中で手が空振る。
/142ページ

最初のコメントを投稿しよう!

18人が本棚に入れています
本棚に追加