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次の日、登校してきた彼女に声をかけた。
「今日俺達日直だから」
彼女は少し焦った様子で前の黒板を見た。
″結城 市橋″
その文字を見て彼女はため息をつく。
「日誌、頼める?」
日誌を渡すと、彼女はそれを持ったまま教室から出て行ってしまった。
今日も一言も返事をしない。それが日常。
それから彼女が戻ってきたのは4限目の途中で、その手には日誌がしっかり握られていた。
「結城、お前今日弁当?」
「うん」
弁当片手に鳴海が後ろの席に座った。
俺は鞄に手を入れ弁当を取ろうとした。が、何故が鞄の中で手が空振る。
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