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放課後、帰ろうとすると担任に呼び止められた。
「日誌出してから帰れよー」
そう言われて彼女の方を見た。
「・・・」
「まだ書いてない?」
尋ねると、小さく頷いた。
「書いたら出しに行きます」
担任にそう告げる。
「鳴海、日誌書いてから帰る」
「んじゃ、先帰るわ」
「わかった」
俺は彼女前の席に後ろを向いて座った。
「・・・」
黙ったまま日誌を書いていく。小さいがとても丁寧な字だった。
文字を見つめていると書き始めてすぐに彼女の手は止まった。
それは授業内容を書く欄。
1~4限目まで何処かに行っていた彼女に分かるはずがなかった。
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