2章

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少し先の信号で立ち止まる彼女は何故かこちらを見ていた。 しかし俺と目があうとすぐにそらし、点滅する信号を急いで渡った。 「行っちゃった。綺麗な人ですね」 「うん、すっごく可愛い」 顔が緩んでいるのが自分でも分かる。 西野さんは俺の顔を見て真顔で尋ねてきた。 「好き、なんですか?」 「好きだよ。でも口きいてくれない」 「そうですか・・・私、ここで失礼します」 「西野さん?待って・・・」 呼び止めようと名前を呼んだが反応はなかった。 そのまま彼女は足早に去っていった。 残りの道のりを1人で歩き、教室へ向かう。 市橋さんは先に着いていると思ったが、鞄だけが机に置かれており、彼女の姿はなかった。
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