2章

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「朝からいないと思ったら、そんな事があったのか」 教室に戻った俺は今朝の出来事を鳴海に話した。 「よかったじゃん」 「よかったことには違いないけど・・・」 「けど?」 「すごく無防備なんだよ」 その言葉に鳴海は大声で笑った。 「手出さなかったのか?」 「だしてない。だから、我慢するの大変だった」 鳴海は更に笑い、廊下を通る生徒がこちらを振り返った。 「鳴海うるさい」 「悪い悪い。あ、教室に忘れ物したわ」 鳴海は教室へ戻り、俺は先に理科室へ向かった。 彼が教室へ戻った本当の理由も知らずに。
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