18人が本棚に入れています
本棚に追加
/142ページ
・・・いない。
駅まで約10分。その間に消えてしまった。
急いで電話をかける。
『もしもし?』
「あ、兄さん今どこ?」
『迎え遅いから歩いて先に帰ろうと思って』
「駅出てどっちに曲がった?」
『え?左だけど』
俺はため息をついた。
いや、期待はしていなかったが。
兄さん、それ逆だよ。
「俺行くまで絶対動かないで」
『わかった。あ、喫茶店あるからそこで待ってるわ』
喫茶店の名前を聞き、急いでそこへ向かった。
なんて適当な人だろう。
そんなこと考えたって無駄だった。だって相手はあの兄さんだから。
最初のコメントを投稿しよう!