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「で、お前はどうしてそんな泣きそうな顔を?嬉し泣き?」
鳴海俊介が机の上に突っ伏した俺を見て苦笑いをする。
「嬉しいけど悲しい」
「意味わかんね。大好きな市橋と話せたんだろ?何を悲しむことがあるんだよ」
「市橋さん、鞄取りに行くって言ったから俺のも持ってきてくれると思ったら・・・」
資料を運び終え、移動先の教室で待っていると、彼女は鞄を持ってやって来た。1つだけ、自分の肩にかけて。
「俺のは?って聞いたら、席知らないからって・・・」
「そりゃあ席知らなかったら鞄もどれか分からないな」
悲しむ俺の横で鳴海は笑い声をあげた。
しかしそれもつかの間、笑い声は止んだ。
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