3章

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「結城?」 「んー?」 「何ボーッとしてんだ?」 窓から見える景色を眺めながら答えた。 「べつにー」 無気力な返事。原因はきっとあの夢のせいだ。 「熱でもあるのか?」 「ないー」 鳴海はこんな調子の俺に呆れたのか、はぁと息を吐いて教室から出て行った。 ちょうど彼と入れ替わりで彼女が教室へと戻ってくる。 そんな彼女の手には小さな包みが。 「市橋さん今日はお弁当?」 「・・・」 動きを止めてこちらを見るものの返事はない。 「今日バイト?」 「・・・」 「行ってもいい?」
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