3章

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俺は彼女を自分の胸へと引き寄せ、抱きしめた。 心臓の音を聴かせる。 「・・・」 だんだん震えと呼吸の乱れが治っていく。それと同時に彼女は気を失って崩れ落ちた。 その体を受け止めて店の外へ連れ出す。 冷たい風がいろんな意味で火照った体を冷やす。 店の裏にある公園のベンチに彼女を寝かせた。 大丈夫なのかと心配していると、ゆっくり彼女の目が開いた。 「大丈夫?」 声をかけると彼女は目を大きく開き、少しでも俺から離れようと後ずさった。 怯えた顔で。恐ろしいものを見るような目で。 「ご・・・ごめんなさぃっ」
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