18人が本棚に入れています
本棚に追加
俺は彼女を自分の胸へと引き寄せ、抱きしめた。
心臓の音を聴かせる。
「・・・」
だんだん震えと呼吸の乱れが治っていく。それと同時に彼女は気を失って崩れ落ちた。
その体を受け止めて店の外へ連れ出す。
冷たい風がいろんな意味で火照った体を冷やす。
店の裏にある公園のベンチに彼女を寝かせた。
大丈夫なのかと心配していると、ゆっくり彼女の目が開いた。
「大丈夫?」
声をかけると彼女は目を大きく開き、少しでも俺から離れようと後ずさった。
怯えた顔で。恐ろしいものを見るような目で。
「ご・・・ごめんなさぃっ」
最初のコメントを投稿しよう!