3章

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「迷惑かけてごめんなさい」 泣き止んだ彼女はそう言った。 涙がまつ毛についてキラキラと光っている。 とても綺麗だった。 「迷惑っていうか心配した」 「ごめんね・・・ありがとう」 ありがとうと言った彼女の頬は赤く染まっていた。 そして彼女はゆっくりと俺の頬に手を添えた。 「私・・・」 「花梨ー」 彼女が口を開くのと同時に、公園の入り口に人が現れた。 彼女は手を引っ込め、そちらを振り返る。 「あ・・・お父さん」 「あの人が・・・お父さん?」 「今日は本当にごめんなさい。それから、ありがとう」
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